『言語化』とは?
最近、『言語化』という、ワードを、耳にされること、目にされることが、
多くないでしょうか?
こと、サッカーにおいても、サッカーには、『言語化』が必要!?と、
聞かれることはないでしょうか?
今回は、この、『言語化』について、私見ながら、考えてみたいと思います。
では、まず、そもそも、『言語化』とは、なに?ということですが、
『言語化』とは、
言葉で表現すること。感情や直感的なものを説明・伝達可能にすること。
引用:実用日本語表現辞典
とあります。
『言語化』の必要性
では、なぜ、今、こと、サッカーにおいて、『言語化』が必要なのでしょうか?
まず、サッカーという、スポーツを考えた時、
どういう、スポーツでしょうか?と、尋ねられたら、
1チーム11人からなる二組みが、ゴールキーパー以外は手を使わず、
主として足でボールを扱いながら
相手のゴールにボールを入れて得点を競い合う競技。引用元:デジタル大辞泉
と、簡単に、わかりやすくいうと、上記のような表現だと思います。
ここで、なぜ、『言語化』が必要かということが、
少し、見えてくるのではと思います。
では、どういうことかと説明させていただきますと、
当たり前かもしれませんが、
11人対11人の、複数の団体同士の競技ということです。
相手チームの11人は、当然、得点を阻止に来れば、ボールも奪いに来ます。
では、自身以外の、味方の10人はというと、当然、相手を掻い潜りながら、
相手のゴールを奪うためにプレイすると思います。
この時に、自分自身を含む、味方の11人が、
それぞれ、別々な意志、異なった考え、バラバラな意識で、
ゴールを奪う、相手チームに勝つことは出来るでしょうか?
もちろん、局面、局面で、
相手をかわす高度な技術、正確なシュート力、爆発的なスピード、圧倒的なパワーなど、
当然、このようなスキルはあることに越したことはないですが、
リオネル・メッシ選手、クリスティアーノ・ロナウド選手、ネイマール選手といった、
スーパースター選手が、
ひとりで、サッカーの試合を勝てるかと言ったら、そんなことはないと思います。
いくらかのケースで、ひとりで、得点を奪うこともあるとも思いますが、
これらも、味方選手が、有効的なパスをくれたり、
相手選手を引き付けドリブルコースを空ける動きをしてくれたり、
相手チームのボールを奪ったりと、
やはり、チームとして機能したときの方が、
結果、得点を奪い、試合に勝利できるのではないでしょうか?
要は、11人がいかに、コミュニケーション取り、
勝利に対しての、意志を統一することができるか、
11人全員で、ゴールまでのプランの考えを共有することができるか、
どういう風にボールを運んでいくかという意識を合わせることができるか
更には、ピッチの、11人だけではなく、
監督は、もちろん、コーチ、ベンチメンバー
そこにいる、関わる、全ての人が、意志、考え、意識を、統一が出来た時に、
はじめて、相手選手、相手チームを、上まわる、越せるのではないかと、
考えております。
この、意志、考え、意識をすり合わせていく為に、
『言語化』が必要になってくるのではと、考えております。
『言語技術』は、『論理的に考える力』を引き出す
JFAアカデミーでも、『コミニュケーションスキル講座/言語技術』を、
授業として、取り入れているそうです。
『サッカーは倫理のスポーツ』という考え方から、取り入れられているそうで、
ドイツでは、サッカーの実況や解説に『論理的』という言葉が頻繁に出てくると言われております。
サッカーに限らず、ドイツをはじめ、ヨーロッパの各国では、
『言語技術』に基づく、論理的思考を、子どもの頃から、叩き込まれ、
自分の意見を、自分の言葉で論理的に説明できるように教育が行われているそうです。
こういったことから、常に、『なぜ?』という言葉が頻繁にでてくると言われております。
当然、『なぜ?』に対して意見を述べる、その意見に対して、考えを伝える、
この応酬こそが、論理的な思考を生み、自発的な考えを持つ習慣になるのだと。
だからこそ、連携、連動がスムーズに行われ、
チームとして機能が備わっているのだと思います。
では日本は、極端に言うと、
監督、コーチのいう事を、そのまま、受け入れ、プレイをすることで、
自発的な考えが出にくくなり、論理的な思考を生みにくい状況で、
サッカーを行っているのではないかと。
指導に対して、チームメンバーとのプレイに対して、
自分の考え、意見を発信を行うことで、
論理的思考、自発的な考えを、備えていく為に、
『言語技術』を身に付けていく動きが加速しているのだと思います。
『言語化』が目的ではない、目的は伝えること
ただ、『言語化』、『言語化』というと、
何でもかんでも、言葉で表現しなければと、
解釈されてしまうかもしれませんが、
必ずしも、そうではなく、
言葉に表現出来れば、他者に、自分の、意志、考え、意識を、
伝えやすいということです。
要は、先に、述べさせていただきましたが、
チームメイトはもちろん、監督、コーチに、
自分の意識、考え、意志を、言葉によって、見えるようにする。
ここに尽きるかなと。
サッカーは、団体競技、チームスポーツということで、
チームで、意識、考え、意志を、統一できればればできるほど、
相手から、ボールを奪う確率、ゴールを奪う確率、試合に勝利する確率が、
上がっていくのだと思います。
その為に、言葉を交わしていくことで、
意識、考え、意志を共有しやすくなるために、
自分の思い、考え、意識を、『言語化』する必要性が大事なのかなと思っております。
なので、『言語化』を行うことが、目的ではなく、あくまでも手段として
必要なのだと思います。
大切な目的とは、
自分の思い、考え、意識を表現することによって、伝えていくことが、
大事で、それを、チームメイトの、思い、考え、意識も、言語化によって、
見えるようにして、各々の、思い、考え、意識を、わかり合い、
異なれば、すり合わせ行い、
チームで思い、考え、意識を、共有できたときこそ、
良い結果が得られるのではないかと思います。
その為に、『言語化』が必要なのだと考えております。
では、どうやって、『言語化』していくか?
では、どうやって『言語化』をしていくかということですが、
やはり、練習、試合を振り返ることが大切なのかなと、
我が家では、ふたりの息子たちに、伝えてきました。
チームの練習では、監督、コーチが、何を、指導してくれたか?
どんな、説明をしてくれたか?どのような、声掛けを行ってくれたか?
必ず、そこには、言葉、言語があふれています。あふれているはずです。
また、チームメイトと、どんな言葉を交わしたか、どのように、声をかけられたか?
また、そこに、自分自身の思い、考え、意識は、どうだったか?などなど。
もちろん、試合でも、同じように。
あと、感情も、思い出し、振り返れればいいのかなと。
特に、感情などを、言葉にしようと思えば、語彙力もつけられるのではと思っております。
で、更には、この、振り返りを、ノートに記す。
要は、ノートに記すことで、アウトプットを行う、
アウトプットを行い、見える化することで、
いろんなことが、頭の中も整理が出来、記憶として残り、
それが、知識につながっていくのだと考えております。
これが、サッカーの知識 = サッカーセンスにも、繋がっていくのだとも思っております。
もちろん、日々、練習、試合は、もちろん、サッカーだけでも、
時間を多く費やしており、更には、学校と、本当に、忙しい中で、
振り返りを行う、ノートに記す、という時間は取りづらいとも思います。
ただ、5分でも、3分でも、それでも、1分という少しの時間でも、
毎日、毎日、継続して、積み上げていけば、
1分でも、10日続けば、10分になりますし、
60日続けば、60分=1時間になります。
最初は、なかなか、言葉も出てきづらいかもしれませんが、
継続していくうちに、習慣にもなり、
習慣化できれば、短時間でも、言葉も増えきて、語彙を増え、
結果、『言語化』も、どんどん出来ていくのではと考えております。
『言語化』に潜む危険性!?
ただ、注意をしなければいけないのが、
特に、大人の方、監督さん、コーチの方々、保護者の方々が、
先回りして、全ての事、答えを、まず出し、伝えていくことは、
注意しなくてはならないのかなと思っております。
これは、お子さん、選手に、思考させる、考えさせる、という行為を、
奪ってしまうのではないかと思ってます。
サッカーという、スポーツは、いかに、動きながら、思考をめぐらせて、
『認知』→ 『分析』 → 『判断』 → 『実行』をしていくかというスポーツです。
ということから、常に、思考する習慣、考える習慣も、
大事にしなければと考えております。
もちろん、学習においても同様と考えております。
問題、テストの答えは、もちろん大事ですが、
ここの、答えに行きつくための、考え、仮定こそが、重要なはずです。
答えが間違ってました。
では、なぜ、間違っているのか?どこの考え方が違ってたのか?
ここがわかり、理解できれば、次から同じ問題、同じような問いも、
間違えにくいのではないかなと思います。
『言語化』は、言葉を覚えることではなく、
考え、思い、意志、意識、感情を、見えるようにして、伝えること、
これこそが大事だと考えております。
『言語化』は、武器になる
自分の考え、思い、意志、意識を、言葉で表現できる、
要は、『言語化』ができるようになれば、
当然、プレイ中に、チームメイトと、
コミュニケーションが取りやすくなることは、言わずもがなと思います。
そうすれば、プレイも、連携、連動も、『言語化』できないよりは、
やりやすくなるなずですよね。
また、チームメイトに、指示を出せたり、情報も発信出来るようにも
なると思います。
また、試合や、練習で、わからないことや、どうすればいいかを、
『言語化』できるようになれば、
監督さん、コーチの方に、質問ができ、解決方法や、アドバイスも、
受けやすくなるのではと思います。
お子さん、選手が、
『サッカーがうまくなりたいですが、どうすればいいですか?』
という、抽象的な質問をしても、監督さん、コーチの方は、
差しさわりの無いありきたりの、アドバイスしかできないと思います。
でも、自分が、
どこを上手くなりたい?
どういうプレイができるようになりたい?
どんな選手になりたいか?
と、具体的な、言語で質問をすることが出来れば、
そこにたどり着くであろう、アドバイスを考えてくれたり、
練習方法、トレーニングメニューを提示してくれるのではないでしょうか?
要は、『言語化能力』は、自分自身を、成長、向上させてくれるにも、
役立つはずと考えております。
ミス、失敗も、『言語化』できれば、改善方法、修正案も、
考えやすくなるでしょうし、
成功や、いい結果についても、『言語化』できるのと、出来ないのでは、
たまたまだった、運が良かったで終るのか?
それとも、『言語化』によって、説明ができれば、
次回への、継続、繰り返しの可能性が増えるとも、考えられます。
だからこそ、この、『言語化』の能力は、
自分自身を、成長、向上させる武器になるのではと考えております。
まとめ
論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング
もちろん、この『言語化』をするという習慣を、
子どものうちから、習慣にして、身につけておけば、
コミュニケーション能力も身に着けていけるはずです。
自分自身の考え、意見、意志を、表現することによって、
チームメイト、仲間も、何を、考え、どういう思いを持っているか、
お互いの考え、意見をぶつけあうことで、
何を望んで、どんなプレイをして欲しいか、など理解が深まるはずです。
これが、2人、2人から、3人、4人。。。メンバーの11人、チーム全員で、
共有できたときに、連携、連動して、
チームとして、サッカーになるのかなと思っております。
相手を理解して、相手に理解してもらう、
その為に、説得もすれば、納得もする、意見を言えば、意見も聞く、
その為に、『言語技術』が必要なのだと考えております。
要は、自分自身が、何を思い、何を考え、どんな意識で、何処を見てなど、
言葉で表現する、『言語化』こそが、
サッカー選手として、成長、向上していく為には、必要なのではと考えております。
もちろん、この、『言語化』を行う、『言語化』の能力は、
サッカーだけに限らず、
様々なことでも、『言語化』できることによって、
物事を進めていく上での、幅が広げられるのではないかと考えております。
大人になっても、社会人になり、社会に出た時でも、
自分自身の考え、思い、意志を、言葉にすることは、
様々な場面で、必要となってくるはずですし、
きっと、身に着けておいて、損はない能力になると思います。
ただただ、指示されたことに対応する、
言われたことを言われたまま対応する、
何かをやらされている、ただ、物事をこなしていくという、
納得できず物事を進めたり、何も考えず物事を行うなど、
自主性が備わっていかなくならないためにも、
自分自身の、プレイを『言語化』をしていく、
その場で、『言語化』できなければ、振り返りを行い、
思い、考え、意識を、思い起こす、
更には、ノートにアウトプットする、
サッカーノートに、何を書いたらいいか、迷い、困っていたら、
まずは、この、振り返りを、ノートにアウトプットする習慣が、
いいのではと思っております。
ぜひ、お子さん、選手と、一緒に、試合の振り返り、練習の振り返りに、
お父さん、お母さん、保護者の方が、
耳を傾けてあげる、サポートをしてみてもらえれば、
『言語化』のトレーニングにもなるのではと思っております。
まずは、最初の一歩を踏み出すだけで、
その時に、お父さん、お母さん、保護者の方が、少し、声かけてあげる、
誘導してあげると、さり気なくサポートしてあげて、
一緒になって、振り返りを行ってあげることも、
いいのではと思っております。
ぜひ、親子で一緒に、『言語化』の、
トレーニングに取り組んでみてもらえれば、嬉しいです。
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